『となりのママは外国人!?』感想文コンテスト
受賞作品
2020年5月に開催した「紙芝居『となりのママは外国人!?』感想文コンテスト 」には45作品の応募がありました。ここでは、以下の6つの受賞作品をご紹介します。
●ステキな感想文賞
「笑顔でつながる心と心」四井 在香さん
●特別賞・当事者部門
「頑張れ! じゃなくて、頑張ろう! が大切」木村 成那さん
●特別賞・実践部門
「友達になろうよ! やさしい日本語がつなぐ縁」凪彩さん
●ステキな視点賞(3編)
「どう会話しようかな?」ちょっちょさん
「固定概念をぶち壊せ!」まるさん
「わたしにできること」川西 風花さん
ステキな感想文賞
「笑顔でつながる心と心」 四井 在香
私の大学のゼミ活動では、外国人の子どもたちと関わることが多いです。その時に日本語がうまく相手に伝わらなかったり、相手の気持ちを理解してあげられなくてどうしたらうまく関われるのか考えることがあります。この紙芝居をみて、優しくて簡単な日本語を使うということはもちろん大切なのだと思います。でももっと大切なことがあると気づきました。それは相手とのコミュニケーションです。明るく優しく関わることで相手は心を開いてくれて、自分自身も相手への対応の仕方が変わると思います。そして自然と良い雰囲気がつくれてお互いが心を開けると思います。私は笑顔はとても大切だと思っていて、いつも笑顔でいられるように心がけています。これからも同じようにどんな人にも笑顔でいたいです。私が印象に残っているシーンは、マリアさんが鈴木さんに自分の誕生日なのにケーキをプレゼントしていたところです。日本では誕生日のひとがケーキをプレゼントされるから、フィリピンとは文化がまったく反対で面白いなと思います。外国人の人と関わることでいろいろな文化を知ることができて新しい世界を発見できるから、自分の生活がもっと楽しいものになって素敵だなと思います。だから人と人が関わることは、とっても素晴らしいことなのだと思いました。これからのゼミ活動や普段の生活でも外国人の人との関わり方をよく考えて行動したいです。
特別賞・当事者部門
「頑張れ! じゃなくて、頑張ろう! が大切」 木村 成那
私の身近なマリアさんは、私のお母さんです。私のお母さんはフィリピン人で、私達兄弟の学校の行事や、病気になった時に病院へ行く事、PTAや子ども会の事など、今思えば1人で母国ではない言葉が交わされる中で理解するのは本当に大変だったんだろうなあ、と思います。お父さんは仕事へ行って朝も早く帰りも遅かったので、1人で私の面倒を見てくれていたと思います。また、お母さんは介護の仕事もしていたので、帰りは遅く、私はお兄ちゃんとお姉ちゃんと、住んでいた家の大家さんの家によく遊びに行っていました。なので、大家さんが私の身近な鈴木さんです。
大家さんは、とても優しかったのを覚えています。私の小学校の運動会にも来てくれたし、誕生日には毎年プレゼントもくれました。お母さんとはよく電話をしていたのも覚えています。
紙芝居の中でもあったように、鈴木さんのような存在は私達家族にとってすごく大きな存在で、今は引っ越しをしてその家の大家さんとの交流は無いけど、あの大家さんについて、家族で話す事はよくあります。家族も大家さんに助けられていたと思うし、私も家族だけでなく大家さんのおかげで大きくなれたと思います。
紙芝居の中の鈴木さんは、マリアさんに優しく寄り添っていて、マリアさんも素直で、すごくほっこりするようなお話でした。頑張れ! という投げやりというか人ごと? というような感覚よりも、一緒になって頑張ろうという優しい気持ちが一杯詰まっていて素敵でした。
ゼミの活動をしていても、ゼミのみんなや、活動をする子供達、留学生の方などと一緒になって悩んだり、楽しんだり、どうしたらいい方向に行くかなど自分だけではなくみんなで考えて頑張る事でより良い方向へ物事が進んでいく事を実感します。優しい気持ちを持って、寄り添う事は自分も相手も幸せになる事だと思うし、とっても必要な事だと思いました。
特別賞・実践部門
「友達になろうよ! やさしい日本語がつなぐ縁」 凪彩
紙芝居の中に出てくる鈴木さんの初めの勇気と思いやりの心が素晴らしいと感じました。私の住んでいる地域にもたくさんの外国人の方が暮らしており、市内のあちこちには外国語表記がされています。にもかかわらず、外国人の方とコミュニケーションをとる機会はほとんどありません。困っている姿をみても言葉が分からないからといった理由で関わることを避けてしまっているのが現状だと感じています。
しかし、この紙芝居の中にでてきた「やさしい日本語」は私たち日本人と外国人の方とのコミュニケーションの壁を低くしてくれるものだと思いました。とても勇気のいることだと思いますが、このやさしい日本語一つでマリアさんのような外国人の方の支えとなると思いました。
まずは私の周りからやさしい日本語を広めていきたいと思い、アルバイト先のメニュー表にやさしい日本語を使用することを提案してみました。小さなことですが続けていきたいです。
ステキな視点賞(3編)
「どう会話しようかな?」 ちょっちょ
鈴木さんがマリアさんと初めて話したときに言葉が通じなくて困ったこと。えりさんが、英語ができないからとマリアさんと話すことをためらったこと。私自身も小学校に入りたての頃、日本語が話せない同級生に話しかけられたとき、同じように思ったことを思い出しました。そしてその後一度も話すことのないままその子は転校してしまいました。ですが、日本語が話せない人とかかわることが少しずつ多くなってきた今では、ゆっくり話したり、やさしい日本語を使ったりすることで相手が理解しやすくなるということを少しずつ実感しています。なかなか伝わらなくてもどかしい気持ちになることもありますが、この紙芝居を見たことで、言葉についてのちょっとした心遣いで相手に伝えることができて、その人を支えることにつながるのだと思うと、もっと寄り添ってみよう、相手の気持ちになってみようと思えるようになりました。
この紙芝居を読んで、日本に住んでいる外国人は私たちが感じている言葉の壁よりも大きな不安を抱えているかもしれない、だからこそ工夫をして話しかけてあげることが大切なのだと感じました。この紙芝居を通して感じたこと、学んだことはこれからずっと大切にしていきたいと思います。
「固定概念をぶち壊せ!」 まる
鈴木さんは「日本語がわかる」というもののレベルを一括りに考えてしまっていたため、マリアさんが冷たい態度をとったと勘違いしてしまったと思いました。今回のマリアさんのように、簡単な言い回しなら理解できるけれど、難しい熟語だったりした場合、何を言っているのか理解できなくなる。更に、日本語の「は」と「が」の違いはニュアンスの違いなため、外国の人が理解するのはとても大変だと聞いたことがあります。そのため、日本語がわかるといっても人それぞれの理解度だということを知っておくべきだと感じました。そして、鈴木さんは、初めは誤解してしまったけれど、外国人の友人に指摘されたとき、素直に自分が間違っていたとすぐに改善したことに感心しました。自分が相手に教えてあげようとする側は、自分が間違っているということを認めずらいと思います。しかし、相手のために何かしたいと思ったとき、自分の考えや価値観にとらわれるべきではないと思いました。そして、鈴木さんがマリアさんに自分の友人を紹介したことは、マリアさんの交友関係を広げることにも繋がるし、マリアさんの日本(人)への固定概念を失くすことにも繋がるよい取り組みだと思いました。この取り組みは、自分がもしそういった立場にたった時、参考にしたいと思います。
「わたしにできること」 川西 風花
紙芝居を見て、わたしの住んでいる周りには外国人の家族をみかけることはありませんが、見かけた時、出会った時に、どうすればいいのか考えることができました。19年生きてきた中で、外国人と接することがとても少なかった私は、あまり日本に住んでいる外国人について、考えることがありません。それは、わたしが日々生きてきた中で、困った外国人の方を見かけると自信がなく、逃げてしまっているからだと感じました。紙芝居を見て、外国人と会話が続くことが楽しいと、思うことは、日本人と会話が続くことよりも楽しいんだろうなと思い、その楽しさを味わってみたいなと思いました。私が持っている知識は全然少なくて、身近にマリアさんのような人がいても教えてあげられることは少ないと思います。しかし、私がわたしのお母さんやおばあちゃん、周りに住んでいる人につないであげれることができれば良い交流関係をつなぐことができるんだなと考えました。若者の力の使い方を、外国人の方と接することで学べたりするのだなと発見することができました。そして、外国人の方と1対1で話して楽しむことよりも大きい輪ができて、いろいろなことを話せるともっと楽しむことができるのではないかな、と思います。これからは周りに外国人の人がいることを考えて、気づいていきたいです。