top of page

「外国人ママ・国際結婚ママのためのおしゃべり交流会」開始の経緯について

 

 ピナット日本語教室は、2012年度より、IMG(International Mothers Group)と共催で、外国人ママ・国際結婚ママのためのおしゃべり交流会を毎月1回開催しています。これは、ピナットがそれまで取り組んできた「日本語教室(水クラス)」と「子ども学習支援教室」のそれぞれの活動の中で考えさせられてきたことがつながり、開催するようになったものです。交流会が始まった経緯をご紹介します。 

 

■日本語教室(水クラス)からのニーズ

 

「ピナット日本語教室(水クラス)」は、主に子育て中の外国人お母さんが参加しています。ボランティア・スタッフも子育て中の女性が多いため、子育ての悩み相談や、子どもの学校のお便りの説明、提出物のお手伝いもする、ゆるやかな「教室」です。赤ちゃん連れのお母さんには、保育ボランティアをつけ、受け入れてきましたが、教室参加者が増えるにつれ、物理的なスペースの制約もあり、新規の参加希望者には「子どもが幼稚園に入ってから、来てください」とやむなくお断りすることが続きました。 

 

同時に、教室に参加しているお母さんからも「水曜以外は居場所がない」「ママ友が欲しい」「買い物や幼稚園の情報が欲しい」などの声を聞き、居場所や友人、必要な情報を得て、安心して子どもを育てられるような場・システムが、「日本語教室」とは別に必要だと考えるようになりました。 

 

■子ども学習支援教室からのニーズ

 

「ピナット子ども学習支援教室」には、日本で生まれ育った「外国とつながる子ども」も多く参加しています。彼らの中には、親(特に日本人と結婚した外国人女性)の片言の日本語で育てられたため、親の母語も日本語も、年相応には習得していないケースが少なくないことに気づきました。 

 

専門家によると、幼少期に母親の母語での語りかけをシャワーのように浴びることで、子どもの言語習得能力が高まり、その結果、日本語もよりスムーズに習得できるようになるそうです。また、幼い頃から親の母語・母文化に親しむ機会があった子どもの方が、親の文化や自分自身のアイデンティティを肯定的にとらえることができるようになる、とも言われています。 

 

子ども教室に来る子どもたちは、すでに小学生、中学生になっているため、どうすれば、小学校にあがる前の子どもを持つ外国人お母さんたちに、「何語で育てるか」について、いっしょに考える機会が持てるだろうか、と考えるようになりました。 

 

■ピナット会員たちの体験から

 

フィリピンで3人の子どもを育てたKさんは、「フィリピンでの子育ては、いつも周りの人が助けてくれた。今度は、日本にいるフィリピン人お母さんたちをサポートしたい」と話していました。 

 

夫の仕事に伴い、幼い子どもを連れてイギリスで暮らしたYさんは、「地域の子育てグループに初めて参加した時、年配のインド人女性が、ゆっくりとしたシンプルな英語で話しかけてくれて、うれしかった。受け入れてもらえた、と感じて安心感が持てた」と話していました。 

 

大学で日本語を教えているSさんは、「ピナット子ども教室」の子どもたちの状況を知り、親の言語と日本語の習得について研究を始めました。 

 

2012年春、この3人を中心に、赤ちゃんのいる外国人お母さんをサポートする活動を考えていくことになりました。 

 

■International Mothers Group (IMG)大目さんとの出会い

 

2012年5月、三鷹の子育て支援施設の方から紹介された、IMG代表の大目奈美さんにお会いしました。 

 

大目さんは、ご自身の出産・子育ての中で孤立している外国人ママたちの姿を見て、IMGを立ち上げ、毎月1回、外国人お母さんと日本人お母さんの交流イベントを長年続けていらっしゃいました。しかし、第2子出産に伴い、活動を休止しているということでした。子どもを二人育てながら、IMGの活動を続けることの難しさも感じていらしたようでしたが、「ピナットと一緒なら、これからも続けられるかもしれない」と、一緒に活動させていただくことになりました。 

 

■ヴィルマさんとの出会い

 

2012年6月には、多民族国家カナダで30年以上、幼児教育に携わってきたフィリピン人保育士、ヴィルマ・レイモンドさんが来日され、ピナットでお話し会を持つことができました。改めて母親が自分の母語で育てることの重要性を学び、またカナダでは最初は外国人お母さんたちを集めるところから始めた経緯などもうかがい、三鷹でも、まずは外国人お母さんたちとつながるための場づくりから始めていこう、ということになりました。 

 

■初めての交流会

 

ビルマさんのお話し会を機に、このテーマに関心を持つ人の輪がさらに広がり、その年11月、初めての交流会開催が実現しました。そして、その時の反省をもとに2013年3月には第2回目の交流会も開催。2013年4月より、毎月1回第3木曜日に定期的に開催することとなりました。

初開催の時の集合写真

第2回目の時の集合写真

bottom of page